依頼者・チーム名 日時情報 参加者情報 指導者情報
第5回目指導
 10月23日 土曜日
PM1:00〜PM4:00
中学生男子 9名
中学生女子 9名

合計      18名
石田 順一

指導のねらい
1)シュートの基本能力アップ
バスケットボールの家庭教師

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1.ウォーミングアップ
  コーディネーショントレーニング
 バスケットボールに必要な能力に『コーディネーション』というものがあります。

コーディネーションとは「自分の体を自由に操
(あやつ)る能力」のことで
  
1.リズム
  2.バランス
  3.リアクション
  4.カップリング(いろいろな動作を同時に行う)
  5.
ディファレンシング(遠近感、力の加減など)
  6.オリエンテーション(空間認知)
  7.アダプタビリティ(変化する状況に対応する)

この7つの能力で構成されています。

 
最初に行なった、2メンの投げ上げパスランニングや、スキップしながら手を叩く練習は、それぞれディファレンシング・オリエンテーションやリズム・カップリングなどの能力を養うトレーニングです。
 こういった動きに即座に対応できるようになることによって、様々なバスケットの練習を身に付けるのも早くなってきます。アップや練習前などに仲間たちとやってみて下さい。

2.シュートの原則
 シュートが入るとはどういうことか。その原則は大きく2つです。

   1.ボールはリングに向かってまっすぐ飛んでいる
   2.ボールはリングのある距離にちょうど飛んでいる


 
この2つができればシュートは絶対に落ちません。

しかし、人間はロボットではないので常に同じところに同じようには打てません。シュートの確率が良い選手と悪い選手の差は、シュートがぶれやすいかどうかです。シュートフォームにボールがぶれる原因が多いとなかなかシュートの確率は上がりません。今回の練習では、シュートがぶれる原因を取り上げ、理解してもらうことに的をしぼりました。


3.真っ直ぐ飛ばす  <ワンハンド>

・ボールを下から持って、左右に振ってもボールが安定しているように持ちます。

・ボールの真下に腕が来るように、肘を90度に曲げます。そして180°指の向きを後ろに来るように回転させます。このとき、腕の位置は利き足の真上にくるようにしましょう。

・どの指が最後にボールを離すかはそれぞれの関節の可動域によって決まります。人差し指・中指・もしくは2つの指の真ん中、どれかのパターンになるはずですから、自分のどの指がボールの中心を押し出すか、確認しましょう。その指が
シューティングフィンガーになります。

・サポートハンド(右利きなら左手)は、前から見て小指しか見えないように、ゴールに対して手のひらを真っ直ぐに構えます。

・ボールの中心を指している指がゴールの中心を指すようにまっすぐスナップします。

・腕が曲がっているとボールが曲がりやすくなりるので、ボールの真下に肘が来て手首と肘がL字になるように構えます。これを
2Lの構えと言いました。

・肩のラインが曲がっていたり、足の向きが曲がっていたりするとボールは曲がりやすくなります。利き足はリングを指し、この利き足とゴールを結んだ線を
シューティングラインにします。シューティングライン上をボールが飛んでいくイメージです。

・シュートを構えた最初から、打ち終わった最後まで、つま先の向き・膝・肘・手首・シューティングフィンガーがシューティングラインの上にあるようにします。

肩が前後に移動しないようにしましょう。まっすぐしゃがんでまっすぐとぶ、
ストレートダウン・ストレートアップが重要です。


<ツーハンド>

・ツーハンドは、両手の人差し指が最後に同時にボールを離します。なので、この両手の人差し指が
シューティングフィンガーになります。両手の人差し指の延長上がボールの中心になるようにボールを持ちます。左右から安定してボールを持てるように、両手の親指と人差し指で三角形を作りましょう。

・手首はスナップではなく、内側に回す動き(回内の動き)を使って人差し指をリングに向けて伸ばします。

・鼻とリングを結んだラインがシューティングラインです。そのラインにボールの中心をまっすぐ押しだします。

・手の甲と甲が向き合うようにフォロースルー(シュートを打った後に構え)をしましょう。また、いつでも同じ感覚で左右対称にフォロースル―出来るように、肘は伸びきっている状態が望ましいです。

・肩が前後に移動しないようにしましょう。まっすぐしゃがんでまっすぐとぶ、
ストレートダウン・ストレートアップが重要です。

4.その距離に飛ばす マジックタッチから指先の感覚を磨く練習を行ないました。

マジックタッチは覚えていますか?
ボールを手のひらから指先の方へ転がして、そのまま手の甲へ送る練習です。

その感覚から「抜く」「引っかける」の練習を行いました。
指先を引っ掛ければ、ボールに力が強く伝わり勢いを持って飛んでいきます。反対に指先から抜けるようにすると、ボールには力は伝わらずフワフワと上に上がってくイメージです。

距離を変えるのにフォームが変わってしまう選手は良いシューターになれません。同じフォームで、指先のタッチで微妙な距離感を調整できるようになりましょう!

5.距離を伸ばす  距離が伸びてくるとフォームが変わってしまう選手が多いので、力を伝えるポイントを紹介しました。フォームを崩さず距離を伸ばしていくためには、どの力を発揮させるかを理解して意識する必要があります。

<シュートを飛ばす4つの力>
 1つ目は
スナップです。これは手首を返す力。ツーハンドでいうなら回内の力です。2つ目は肘の伸展です。肘を真っ直ぐ伸ばす腕の力になります。3つ目がリフティング。ボールを真っ直ぐ上げるストレートアップの話をしましたが、下から上にボールを上げてくる力です。最後の4つ目はジャンプになります。
 この4つの力は、紹介した順番に大きな力になっていきます。ですからロングシュートのときは、手首を強くスナップする、腕に力を込めて強く肘を伸ばすより、何よりも
ジャンプの力を意識することが重要になってきます。

 特にロングシュートの練習でシュートフォームを崩す選手が多く見られます。距離が伸びても、いつでも安定したフォームで練習していけるとシュート練習の効果が高まります。

6.シューティングドリル
  ナインティナイナーズシューティング
  スターシューティング
 仲間と競争や、タイムとの闘いの中でシューティングドリルを2つ行ないました。

ナインティーナイナーズシューティング
 ゴール下・ローポスト・フリースロー・エルボー・スリーポイントの5カ所を順番に決めて行き、最初に終わった人の勝ち(またはタイムを計ってタイムトライアル)というシューティングです。この練習は、距離が変わっても調整してシュートを決める練習です。
どんな距離でも決められるということが重要です。
 途中、男子vs女子でどちらが早く終わるかというルールで行いましたが、女子が勝ちましたね。身体能力や体の大きさでは、中学生にもなると圧倒的に男子の方が有利ですが、シュートという技術に関して言えば女子でも勝てるチャンスがあります。シュート力を武器にする女子チームは数多く見られます。頑張って行きましょう。男子も女子に負けないようにシュート力を磨いていきましょう。

スターシューティング
 星形に動きながらスリーポイントを打つ練習です。この練習はスリーポイントという距離は一定ですが、角度が変わる。また、走り続けるため体力的にも疲れてくる。その中でシュートを安定させる練習です。まだ、ロングシュートになると確率が低いですが、少しずつ精度を上げて行きましょう。

 指導の感想と次回へ向けてのコメント
 今回の練習はどうでしたか?「シュート」という技術の、しかも基本的な部分に的を絞った練習で今までの練習とはまた違った雰囲気だったのではないでしょうか。
 シュートは練習すれば、誰でも必ず上手くなります。教え子の中にも、走るのは遅いし、筋力もそんなに強くはなく、運動神経もいい方ではない、という子でしたが、「シュートだけなら活躍できる」という自信を持って試合に出ていた子がいました。プレータイムは長くはなかったのですが、そのシュート力を活かしてチームに貢献していました。

 シュートが入るために必要なことは何か、外れる原因は何か、その練習では何を注意すれば良いか、そういったことを意識しながら練習できると、シュートは確実に上手くなっていきます。

 コーチとも話をしましたが、また次回ステップアップした練習をしていきたいと思います。みなさんのシュート力アップに少しでも力になれるように色々な練習を考えて行きますので、教わったことを忘れずに日々の練習の中で身に付けて行って下さい。
 3時間ずっとシュート練習という中、とてもいい集中力だったと思います。お疲れ様でした。

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