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![]() NPO法人スポーツ指導者支援協会 第13回ノウハウデリバリー |
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HOME>実際に指導力は?>特筆事項>中川文一氏講習会レポート1日目 |
2006/7/8 PM6:30〜 参加指導員:尺野将太指導員 「will」を持つ1日目は、中川氏のこれまでの経歴について語られたあとは、オフェンス中心の内容でした。オフェンスの話を進める中で何度も出てきたキーワードが、「will(意思・意図)」を持つことです。「選手はコーチに言われたことだけをしていれば良いのではなく、その場の状況に応じて、自分の意思で適切な判断しなければならない。」と中川氏は強調していました。これはBBTの勉強会等でも話題になっていたことですが、日本のトップのコーチも同じ事を考えているのです。それほど「will」を持つことは重要で、かつ難しいことなのだと改めて実感することができました。 また、「will」について話す中で、日本サッカー界の第一人者であるクラマー氏の興味深い言葉が出てきました。サッカーで大切なことは、 ・ Look around (見なさい) ・ Thinking before (前もって考えなさい) の二つなのだそうですが、これはバスケットボールにも当てはまります。「Look around(見なさい)」では、コーチは何を、いつ、どうやって見るのか、どの情報が重要なのかといったことを指導する必要があると思いました。ただ「見なさい」と言っても、何が重要な情報なのかを選手が読み取れなければ意味がありません。また、「Thinking before(前もって考えなさい)」では、選手が何も考えず行動しているときには、コーチが練習を止めて、行動に「will」があったのかを確認するといいと思いました。自分が指導しているときも、ただ何となく動いている場面が多々見受けられるので、考えてから行動する習慣を身に付けさせることも必要だと感じました。 しかし、「自分で判断する」ことと「自分勝手にする」ことには、大きな違いがあります。また、コーチと選手一人一人では、判断基準に差があることも忘れてはいけません。「こうしなさい」と決め付けることや、「ベスト」のプレーを教えることは難しく、その場の状況に応じて「ベター」なプレーを教えていくことがコーチの役割になります。ただし、ある程度のテクニックがないと、判断した時に適切な行動に移れないとも言われました。この「判断するトレーニング」と「体を動かすテクニック」を身に付ける練習の二つを、適切にバランス良く指導していく必要があります。そして最終的には、コーチが何も言わなくても、選手自身で考えてプレーを作り出せる「自立したプレーヤー」に成長させていき、自分の元を離れ、他の指導者に移った時にもプレーできるようにしてあげることがコーチの役割だと言われました。 バスケットボールに必要な能力とは「バスケットボールに必要な能力には何があるか」という話では、重要なものが三つ挙げられました。それは、@ 体力(脚力) A 頭(意図・判断) B シュート力 の三つです。 これらの能力を向上させることは、どのチームも少なからず取り組んでいると思います。しかし、実際はただシュートを打ったり、ただ走ったりするだけのところがほとんどのようです。中川氏は、ここで大切なのは「込み」だと言われました。シュートなら「打ち込み」、体力なら「走り込み」といったように徹底しなければなりません。 過去の日本代表のシューターには、通常の練習以外に、自主的に毎日1000本シュートをしていた人もいたそうです。また富士通でも、昨シーズン当初の2ヶ月間は、川の土手でダッシュをくり返し、脚力を徹底して鍛えたそうです。このように、他のチームに負けない「込み」が大切になります。 徹底することから、チーム作りにも話が広がりました。ここでも、強いチームを作るには「何か一つを徹底する」ことが重要だと言われました。例えばどのチームよりもうるさくディフェンスをするとか、ボックスアウトを徹底的にするなどです。その良い例が秋田の能代工業高校で、「徹底的にトランジション(オフェンスとディフェンスの切り替え)を速くし、相手ディフェンスがいい状態を作る前に速攻で攻め、ディフェンスは前からフルコートプレスを仕掛ける」というのがこのチームの伝統になっています。 一つのことを徹底し、個性や特色を出していくことが強いチームを作るために一番簡単な方法だと言われました。しかしその一方で、「簡単なことが一番難しい!」とも強調されていたので、どこまで徹底できるかがコーチの腕にかかっているのだと思いました。 プレーヤーの成長プレーヤーの成長についても面白い話がありました。同じ練習メニューであってもプレーヤーの成長に差が現れる原因は、コーチにあるそうなのです。具体的には、コーチの考え方、練習のポイントの置き方などが重要になります。そして、自分の考え方をどこまで浸透できるかは、ファンダメンタルドリルにかかっているそうです。 自分の考え方の基盤になるものを毎回の練習にルーティンとして取り入れて、考えなくても無意識にできるようになるまでしつこく繰り返すこと。特にディフェンスフットワークなどがこれに当てはまります。それは、先ほど挙げた「will」を持つこととは別の話です。 もしも自分の考えを表す適当なドリルがなければ、自分で作り出すのも面白いと思います。中川氏は、ドリルを作り出す力もコーチに欠かせない能力だとおっしゃっていました。 講習会1日目を振り返ってオフェンスの技術的・戦術的なことについても話は広がりましたが、今回の講習会で特に印象的だったことは以上の内容です。「will」を持つことや、徹底することなど、例え話や体験談によってとても現実的に感じられ、今まで自分の中で漠然と感じていたことが、いくつも明確になりました。しかし、どれも知識として持っているだけでは役に立ちません。今回学んだことは、自分なりに指導に生かしていきたいと思います。さらに、今後のBBTの活動や、その他の場面でどのように生かせるかは自分次第なので、有意義な経験だったと言えるように努力していきたいと思いました。 |
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