1.クリニック内容説明
「シュートの基本」
〜シュートを落とさないために〜
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<ノーマークで確実に入れる>
●シュートが入るためにはどうすればよいか
@ボールがまっすぐゴールに向かって飛ばなくてはならない
Aボールがその距離に飛ばなければならない
●確率良く入るシュートになるためにはどうすればよいか
@左右にぶれの少ないシュートフォームを身につける
A前後にぶれの少ないシュートフォームを身につける
Bリングの上から落ちてくるシュートを打つ
Cスピンのかかったシュートを打つ
<実戦で確率良く決める>
●ディフェンスを振り切ってシュートを決めるために必要な力
@いつでも打てる・・・クイックモーションですばやく正確に打つ
Aどこでも打てる・・・安定したフォームでロングシュートも打てるようにする
Bどんな状態でも打てる・・・多少体がぶれても指先で調節できる調整力をつける。
シュートが入るようになるには、まずは良いシュートフォームを身につけましょう。 |
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2.真っ直ぐ打つ |
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シュートが落ちるもっとも大きな要因は、シュートが“曲がる”ことです。シュートがリングの中心から10cm以上ずれなければシュートは落ちません。前後にずれてしまった場合、ボードに当たるなどしてまた入る可能性もありますが、左右のずれはリングの外側にはじかれてしまうので致命的です。
シュートフォームからシュートが曲がる原因を少なくし、調整力を高めることでシュートの確率を上げることができます。
【ワンハンドシュート】
@指先
ボールの中心を指している指、シュートのときに最後にボールから離れる指がリングの中心を指すようにしましょう。
A腕
ボールを真下から支え、斜めに傾かないようにします。顔の正面に腕が来るということは、上腕が斜めになっているということなので、前腕は立てて、上腕はゴールに向かってまっすぐになるようにします。 そうすると、腕は利き目の横の位置くらいにまっすぐ立つようになります。
B肩、体幹
肩や体幹が横に回転してしまうと、ボールは簡単に曲がってしまいます。肩や腰がふらふらしないように、安定したバランスでシュートを打ちましょう。
C足
利き足をやや前に出し、つま先がゴールを指すようにします。出しすぎると腰が斜めになってしまい、曲がる原因になるので注意してください。
D全体
これらのポイントを整理すると、利き足のつま先から肘、肩、腕、指先、すべてが一本のラインになってゴールを指すようなシュートになります。
これが曲がる原因の少ないシュートです。曲がる原因が多いと、シュートの確率が悪くなります。なるべく曲がらないように、自分のシュートフォームで曲がる原因をなくすように練習してみてください。
【ツーハンドシュート】
@指先
ボールの中心を指している指、つまり両手の人差し指がリングの中心を指すようにします。手首をスナップしてしまうと左右に力が加わり、ボールが曲がる原因にもなるので、手首を回内させる動きでボールを飛ばします。フォロースルーは手の甲と甲が合わさるようにし、親指が下を向くようにしましょう。
A腕
肘は両脇からこぶし一個分くらい離す感じにします。開きすぎると力が横向きになってしまうし、閉めすぎるとボールの持ち方が悪くなってしまいます。パスをキャッチしたときから指先が上を向くように構えて、口元がディフェンスに見えなくなるように意識してボールを下に下ろさないようしましょう。
B肩、体幹
肩や体幹が横に回転してしまうと、ボールは簡単に曲がってしまいます。肩や腰がふらふらしないように、安定したバランスでシュートを打ちましょう。特にボースハンドではこれが重要で、ワンハンドよりも強く意識しなければなりません。ボースハンドは2つの力の合力がまっすぐゴールに向かわないとシュートをまっすぐ飛ばすことができません。
C足
肩や体幹が回転しないように、ゴールに対して正対するように構えます。片足だけを前に出すと肩のラインが傾き、指先をそろえづらくなります。
D全体
鼻とリングの中心を結んだラインがシューティングラインとなります。このラインにボールの中心を乗せることでシュートをまっすぐ飛ばすことができます。おへそと鼻、両手の甲と両手の人差し指がゴールに真っ直ぐ向かうことでシュートをまっすぐ飛ばすことができます。
シュートが曲がってしまう原因はこのほかにも細かいものがたくさんあります。シュートだけは指導者に細かくフィードバックをもらわないとなかなか確率が上がりません。 |
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3.その距離に打つ |
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スキーマの構築
スキーマ = 「このぐらいの力ならこのくらい飛ぶ」という感覚
前後の距離感はスキーマを身体にしみ込ませる必要があります。精密にスキーマ構築していき、そのスキーマの情報から正確に運動を行う再生スキーマの能力が必要です。
そうすると・・・
距離が変わった時にシュートフォームが変わってしまうような打ち方は、距離感がつかみにくくなります。
打ち方が変わるということは・・・ → 技術が変わる
技術が変わるということは・・・ → スキーマが変わる
なるべくシュートフォームは一定で、なおかつ距離感を変えていけるようにする必要があります。
○指先を「ひっかける」と「抜く」
シュートフォームを変えることなくボールの飛距離を変えるには、指先のひっかかり具合でボールの飛距離を変えるテクニックが必要となります。「抜く」シュートは、ふわふわとゆっくり飛んで行くようなシュートになり、リングに嫌われにくく、確率の高いシュートになります。「ひっかける」シュートはボールの初速が速くなり、飛距離が伸びます。
腕や身体はまったく同じシュートフォームでも、こういった指先のコントロールで前後の距離感を調整できれば、スキーマを構築するのも早く、シュートが大きく外れるようなこともなくなります。
こういった距離感をつかむためには色々な距離からの成功体験、失敗体験が必要です。様々な距離、場所からたくさんの打ち込みを行うことにより、より正確なスキーマを構築することが可能になります。
○距離感をつかみにくくしている失敗例
@シュートを打つときのジャンプが前後してしまうこと
直径45センチのリングのへ25センチほどのボールを入れようとしているときに、自分が30センチも前に飛んでしまっては距離感をつかむのは非常に難しくなります。真上にジャンプできるのが理想的です。
Aシュートを打つときに体が反ってしまうこと
シュートを打ったときに体が反ってしまって、肩が腰よりも後方に位置してしまう選手をよく見かけます。肩が腰よりも後ろに下がってしまうとボールの飛距離が伸びづらくなります。その結果ボールの飛距離を伸ばそうと腕や上半身を前後させて飛距離を調節するようになってしまいます。
Bシュートを打つときに大きな筋肉を使ってしまうこと
上半身の腹筋や背筋、腕の上腕二頭筋、上腕三頭筋などの大きな筋肉ではシュートのような細かな距離感の調節は困難です。シュートを打つときには肩が腰よりも前にあるようにして、ボールを楽に飛ばせるようにします。あとの細かな調節はすべて指先で行います。 |
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4.アーチをかける |
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@上向きのリングへの入射面積
バスケットボールは上向きのリングにボールを通過させると得点になるスポーツです。そのためボールをリングより高い位置まで打ち上げない限りシュートは入りません。上向きのリングへ球体のボールが入っていくので、入射面積は90度に近いほど広くなります。(リングの真上からボールを落とすのが最も入りやすいですね)
しかし、角度が高くなるほど飛距離を出すことが難しくなるため、約50度くらいの放物線(アーチ)が望ましいといわれています。
Aスキーマの構築
「その距離に打つ」のところで紹介したスキーマを構築していく上でもシュートの放射角が頻繁に変わってしまうことは望ましくありません。腕が距離によって前に出たり、上に出たりすることがないようにしましょう。
B高い放物線(アーチ)の利点
入射角度の低いシュートはリングの外に弾かれやすいが、入射角度の高いシュートはリングの上に弾かれやすいので確率が高くなります。
Cシュートブロックの影響を受けづらくなる
放物線(アーチ)が高くなるとシュートブロックされる危険性が少し回避できます。
Dぶれの影響が少ないシュートになる
放物線(アーチ)が高いと距離方向の「ぶれ」の作用が弱くなるため、リングから嫌われないシュートに近づきます。
以上のような点から、シュートは高く打つべきだと考えられます。
<アーチをかけるために>
@ボールが離れる瞬間が大事
アーチの高いシュートを打つためには、ボールが指先から抜ける「抜け方」が重要です。
指先の腹の部分を「パッド」といい、爪先を「ティップ」と言います。パッドから飛び出すシュートは回転が弱く、コントロールが難しくなりますので爪の先からボールが飛び出すようなスナップを使います。
Aボールの持ち方
爪先からボールが飛び出すようにシュートを打ち、そのボールが高いアーチを描くためには、手首が反った状態(手首の甲側にしわができるような持ち方)でボールを持つ必要があります。
Bスナップのタイミング
肘が伸びきらないうちに、早くにスナップをするとボールが抜けすぎたり、ひっかかりすぎたりするので、肘を伸ばしきることを意識するとよいと思います。肘が伸びきる直前にスナップをするのがいいタイミングと言われています。伸びきってからだと腕を伸ばしてきた力を活かせないからです。かといって早すぎるとコントロールが利かない。肘が伸びきる直前にスナップ、このタイミングをつかむと安定したシュートになります。
C手首が移動しない
シュートを打つ直前に手のひらが床と平行な向きを向いていたら、ボールは床と平行に飛び出します。シュートを打つ直前まで手のひらは天井を向いているようにしましょう。手首をスナップするときに手首が後ろに下がると、ボールを上から巻き込むようなシュートになり、ボールは上に上がりません。手首が前に動くとボールがすっぽ抜けてしまいます。手首の位置が安定していることはシュートを安定させるために非常に重要です。
ここまでがシュートの基本編です。
フリースローなど、セットシュートはここまでのポイントをしっかりとマスターすればかなりの確率で入るはずです。
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5.いつでも打てる |
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試合中、シュートチャンスはいつ巡ってくるか分かりません。ディフェンスからのプレッシャーが無い一瞬がチャンスです。チャンスがあっても、ゆっくり構えてシュートを狙ってはディフェンスがシュートチェックにきてしまいます。
そこで「いつでも打てる」ということが必要になってきます。シュートチャンスで素早く正確に打てるようにしましょう!
体がリングに対して正対し、しっかりとボディバランスを整えておくことが大切ですね! |
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6.どんな状態でも打てる |
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いつでも打てることが意識できたら、さらに「どんな状態でも打てる」ことが大切です。5番でも説明したように、シュートチャンスはいつ巡ってくるかも分かりませんし、どんな状況で巡ってくるかも分かりません。
自分がリングに対して背中を向けている状況でもシュートチャンスは巡ってくるかもしれません。その場合、素早いターンでディフェンスを振り切って、自分の体勢が少し悪くても指先の調整で良いシュートが打てると良いですね!!
また、止まっている時でなく、ドリブルしている時にもシュートチャンスが巡ってきます。急なストップから多少バランスを崩して指先でしっかり調整してシュートを打ちましょう!!
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7.シュートバトル
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何人かでチームを組んでおこないました。全員で10本決めることができれば勝ちです。少し元気がなく、本数を数える声が小さくて寂しかったですが、全員で声を出せると気持ちも高まってシュートを決めることができると思います!
シュートを打ったら自分でリバウンドを取りに行くので、良いバランスでシュートを打ちましょう。ボールが床に落ちる前にとる事ができれば、良いバランスでシュートを打てている証拠です。目安にしてみてくださいね! |
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8.99ersシューティング |
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ゴール下 →1点
ローポストエリア →2点
フリースロー →3点
エルボーポジション →4点
スリーポイントライン→5点
のシュートゲームです。30秒間の間、どこからシュートを打っても構いませんが、全種類の得点をとる事ができればボーナス点の15点が入ります。5種類を1本ずつ、計5本決めるだけで30点もらえるという訳です。決められた時間で色々な距離からシュートを決めなければいけなので、難しい技術が必要です。
全種類決めてボーナス点をゲットしていた人もいましたね!素晴らしいです! |
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9.スウィッシュ |
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フリースローポジションからシュートを打ちます。
リングに当たらないで入った →3点
リングに当たって入った →2点
ボードに当たって入った →1点
入らなかった →0点
というルールのシュートゲームです。リングにもボードにも当たらないでシュートが入ることを「スウィッシュ」と言います。試合中でもこのスウィッシュでシュートが入るように練習していきましょう!
ゲームのルールとしては、目標点数を設定し1本ずつシュートを打っち、点数を加算していきます。より速くも目標点数を達成した人が優勝ですが、その目標点数を行き過ぎた場合、目標点数のマイナス3点から再スタートです。かならずピッタリ目標点数になるようにシュートを打ち分けてくださいね! |
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10.ゲーム
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最後にゲームを行いました。たくさんシュートを狙うことができたでしょうか?試合中ではクリニックの後半に練習した「いつでも打てる」「どんな状態でも打てる」というポイントが非常に大切だったと思います。
皆さん始まる前よりも非常によくシュートが入るようになっていましたね!素晴らしかったです! |